近頃、お料理の本はただレシピを目的ではなく、
ひとつの本としての美しさも追求して集めるようになりました。
重ねて椅子やリビングのコーヒーテーブルに寝かして置いたり、
表紙を前向きに本棚に立てたりできるような素敵なお料理本。
ハードカバーで高級感があって、
ずっしりと厚くて重みがあり、
表紙がインテリアにも馴染み、
中の写真が美しく、
お料理をしないときでも手に取りたくなるような本。
それに加えて、シェフの気持ちや体験や、
お料理に関するストーリーもあると、ただレシピ集だけとしてではなく、
一冊の、読んで楽しめる本であればますます興味が湧きます。
でももちろんレシピも自分で作りたいようものでなければいけません。
若い頃に選んでいたお料理本と今との大きな違いがそれかもしれません。
若い頃、とくに20代の時はベーシックなお料理を中心にした、
料理の基本を教えるようなレシピ本がほとんどでした。
まだ「なんとなく」といった気持ちで冒険をする勇気がなかった頃。
本から目を話すことができず、
時には片手に持ちながら必死に料理を作っていました。
もうほとんど使うことはありませんが、たまに参考にもなるので
そういった本の一部も大切にとってあります。
なんとなくこれらの本が自分の料理の「原点」と
感じるところもあってなかなか手放せません。
かなり年季が入っています。
また別の言葉を使えば、かなりボロボロです。
そんな本はキッチンの入り口にある棚の中、
ファイルボックスに入れています。
正直、リビングなどに飾って置いてあるおしゃれで美しいお料理本のレシピは
予算的にも、時間的にも贅沢すぎるものが多く、毎日作れるものではありません。
でも毎日見ているだけでも夢が膨らみ、心も癒されます。
日々食べている食事はどちらかといえばキッチンの入り口の棚に入れている
料理本のレシピに近いものが多いですね。
それはそれで、作り慣れた、そして食べ慣れているものばかりで
なんだかほっとします。