2013年10月29日火曜日

ベルギーのポテトフライ


ベルギーでは、ビール、チョコレート、そしてワッフルの次に有名なのが
「フリッツ」、ポテトフライかもしれません。

どんな小さな村でも必ずあるのが
フライドポテトを売っているフリッツ屋さん。

時には、テーブルや椅子もあるちゃんとしたお店であったり、
時には可動式のスタンドみたいなお店で立ち食いをしたり。

日本にいても時々そのフリッツが懐かしくなり、
自分で作ることがあります。

ベルギー式ポテトフライの美味しさの秘密は
ジャガイモの種類にもありますが、
二度揚げすることがもっとも重要。



 ジャガイモを剥いて切って、
一度揚げたら取り出して、油をよく切って冷まし、
完全に冷めたところでまた揚げるのが美味しく作るためのコツ。
















一度冷ましたポテトを二度揚げすることで
中はほくほく、外はさくさくに。
















そしてベルギー流の食べ方は、
ケチャップとではなくマヨネーズと一緒に。

フリッツに最も適したジャガイモはビンチョ(bintje)と言った種類。
日本ではなかなか手に入らないため、普段は男爵芋で作ります。
でも今回はたまたま家にあったメークインで。
ジャガイモの味がしっかりとした美味しいフリッツができました。

とにかく二度揚げのルールさえ守れば大丈夫。
ちょっと手間のかかるポテトフライですが、
作り甲斐はあります。

2013年10月24日木曜日

Before or after?


紅茶の好みとは色々ありますが、
個人的には濃いめの、熱々の紅茶にミルクとお砂糖を入れるのが好きです。
もちろんマグカップに入れて。
イギリスではこのような紅茶をbuilders teaと言います。
工事現場での休憩時間に労働者たちが飲むような
しっかりした甘めの紅茶のこと。
Builders teaと呼びながらも、肉体労働者とは限らず、
一般的に人気のある紅茶の飲み方です。
もちろん高級茶葉ではなく、普通にスーパーで売っているような紅茶を使って。
そしてお砂糖は必ず2杯。




















イギリスではミルクを先に入れる人と後から入れる人と分かれていますが
私はまずミルクをマグカップに入れ、上から熱い紅茶を注ぐのが好きです。
マンチェスターの郊外に住んでいた祖父がこのやり方で
美味しい紅茶を入れてくれたのを飲んで以来、
完全に「後から派」となってしまいました。





















どっちでも美味しいとは思うのですが、
ミルクの上から紅茶を注いだときに、ミルクの色が
徐々に変わるのを見るのが好きだからといった理由も。
それに、紅茶を上から注ぎながらミルクが少しずつ温まり、
紅茶と馴染んでいき、美味しくなるような気がするのです。




















ミルクを先に入れるか、後に入れるかの話はイギリス人の間でも熱い議論になることも。それぞれの側にはそれなりの言い分があります。
好みの問題ですね。

2013年10月17日木曜日

秋の色


秋になり、窓の外の木の色が少しずつ変わっていくのを見ると
リビングもそれに合わせて少し変えたいと思うようになります。




















普段は白やベージュ、グレイッシュな色が中心となるリビングなので
たまに少しだけ色を加えるととても新鮮です。

この季節は赤を取り入れたくなる時期です。
落ち着いた、静かな赤を。


























クッションカバーを変え、赤っぽいものを少しだけ置く程度ですが、
部屋の雰囲気が一気に変わりました。

クッションカバーはリッチでゴージャスなイメージがある
赤いベルベットの素材ですが、
普段使っているニュートラルカラーのリネンのクッションと
合わせることでゴージャスさがトーンダウンされ、
部屋に温かみを与えてくれています。

色だけではなく、素材や質感を変えるのも楽しいです。


























いつも部屋に置いてある、普段はあまり赤とは意識していないような、
なんとなく赤っぽいものも、こんな時に映えてくるのが不思議です。

























赤は我家に似合った季節のアクセントカラーなのかもしれません。

2013年10月12日土曜日

もしもレンガがしゃべることができたら...


ベルギーでインテリアデザイン事務所に努めていた頃、
古い家のリノーベーションを手伝うことが多く、
ある現場で15世紀のレンガと出会いました。
















ヨーロッパなので工事現場のあちらこちらにレンガは落ちているのは
珍しくないのですが、このレンガはとくに古く、
一部溶けてガラス状になっているのが面白くて
ものすごく歴史を感じ、感動をしたのをよく覚えています。
(実際、科学的にどういった現象が起きたかはわからないのですが)

一緒にいた当時の上司が拾って私にくれたというのもあって、
ずっと大切にしてきた宝物のひとつです。

















英語では If walls could talk − 壁が話すことができたら、
とことわざのようなものがあります。
壁が話すことができたら、きっと色々なことを教えてくれるのでしょう、
どれだけ謎が解けるか、と言った意味です。

この場合、if bricks could talk − レンガが話すことができたら、
アントワープのあの古い家での600年間の面白お話がたくさん聞けそう。

600年近くの間、重たい建物を支えてきたこのレンガは、
今はリタイヤし、東京の家の本棚の中でゆっくり眠っています。
我家にある、最も古いアンティークです。


2013年10月7日月曜日

充電ステーション


スマートフォンや音楽プレイヤーはほとんどの場合
玄関にある家具の上に置いて充電しています。

でも、狭い場所でいつも危険だと感じていたのと、
充電していない時のコードの置き場に困っていました。

充電コードが差しっぱなし、なんてこともあったり。

見た目もよくなく、けして安全とも言えません。

携帯を籠やトレーに入れたりもしたことはありましたが、
どうしても気になったのがやっぱりコード。

改善するために全てを隠し、
幾つもの機器を一カ所にまとめて充電ができる
「充電ステーション」を作ってみようと思い、
家にあるあらゆるもので試行錯誤した結果、
IKEAのミニチェストの引き出しの部分を使うことに。















IKEAのミニチェストは、以前にご紹介キッチンの小物入れとしての他、
他の場所でもパーツ的に使っていることもあって
ちょうどこの2つの引き出しが余っていました。

外側はすでに白く塗っていたので、アクセントに内側と裏を
壁と同じブルーグレーにペイント。
















中身が動かないよう、そして携帯を置いたときの衝撃が少ないよう、
カーペット用の滑り止めを敷きました。

上から見ると、こんな感じに。
















この引き出しがぴったりだと思った理由は、取手の代わりにある小さな穴が
ちょうどコードが通るぐらいの大きさであったこと。

















大きい方の引き出しの中に延長コードのソケットの部分を置き、
スマフォなどの充電コードを差し込み、できるだけコードが短くなるように
束ねてから小さい方の引き出しを逆さにしてかぶせただけ。
言葉では複雑そうですが、実際にはとても簡単。
















見苦しいコードを隠すことができ、かなりすっきりしました。

























様々なものを充電しながら暮らしていく時代になり、
これからもどんどん増える一方です。
家中が充電器、充電中の機器だらけにならないよう、
ちょっとした決めごとがあると無いとで
大きく違って来るのがよく分かりました。



2013年10月2日水曜日

我家のシェパーズパイ


年間で最も我家のダイニングに登場する回数が多いのが
絶対的にシェパーズパイ。シェーパーズパイとは羊飼いのパイ。
ラムの挽肉を使うためそう呼ばれるようになったそうですが
牛肉で作るのも人気があるイギリスの伝統家庭料理のひとつです。
(牛肉ヴァージョンはコッテージパイとも呼ばれています)


























シェパーズパイは父の子供の頃からの大好物でもあり、
新婚当初、母が初めて覚えたイギリス料理です。

イギリスの祖母は息子の日本での食生活を心配し、
結婚が決まると同時に母にイギリス料理のレシピ本を送ったとか。
それまでは一度もイギリスには行ったこともなく、
イギリス料理とも無縁だった母はその本と父の口うるさい指導のもと、
本格的イギリスの家庭料理を作るようになりました。

シェパーズパイの味付けは家庭それぞれですが、我家では
母が作っていたのと同じように、セージをかなり効かせた味。
ウスターソースも入るので味はやや濃いめですが、
これがクリーミーなマッシュポテトとちょうど良いバランス。

もともとはイギリスの貧しい人達が食べていた料理なため、
その時にある材料で作られていそう。
そのため、決まったレシピもなく、それぞれの家庭の味も違います。



























材料

タマネギ 3/4個 
牛の挽肉 400g
人参 1/2本
赤ワイン 1/2カップ
ウスターソース 適量(3〜4回振るぐらい)
セージ 小さじ2〜3
塩、胡椒
小麦粉
マッシュポテト (今回は時間がなく、コストコの「クリーミーマッシュポテト」を使いましたが、普段は茹でたジャガイモにミルクをバターを加えながらマッシュし、塩、胡椒で味を整えます) 

・みじん切りにしたタマネギ、挽肉、小さく切った人参を炒め、
赤ワイン、ウスターソース、セージ、塩、胡椒を加えて
汁気がほとんどなくなるまで煮込む。
小麦粉を加えて全体を少し固める(お肉がぱらぱらしすぎない程度に。)

・オーブン皿にお肉を敷き、表面を平にし、上からマッシュポテトをのせる。
200°のオーブンで、表面に焼き色が出るまで焼く(約20分ほど)。 


























美味しく焼き上げるコツはマッシュポテトののせ方にあります。
平に、滑らかに敷くのではなく、ふっくらと山盛りに、
そして表面に良い感じに焦げ目がつくよう、フォークなどで
線を入れたり、突っついたりし、とぎ卵を軽く塗ること。
これで美味しさだけではなく、表面がカリカリになった
マッシュポテトの食感も楽しめます。




















事前に作っておけば食べる前にオーブンで焼くだけ。
その理由も兼ねて我家の人気#1料理なのかもしれません。