2011年11月28日月曜日

ベルギーのカーテン


ブリュッセルに到着した翌朝、予想通り時差ぼけで朝4時半起き。
部屋にいてもすることないし、早く懐かしい街を探索したかったけれどさすがに4時半に外をうろうろしていたら朝帰りの酔っぱらいと間違われそうなので少しがまんして、7時にオープンするカフェを目指して6時半に出発。

外はまだ真っ暗。夜みたい。昔住んでいたエリアまでテレテレ歩いていると1時間経ってしまいましたけれどまだ真っ暗。昔はこの暗い中、毎朝会社まで歩いて行っていたなー。これから一日が始まるんだ、と新しい一日の始まりをわくわくさせるような暗さと肌がきゅっと引き締まるような空気の冷たさがとても懐かしかったです。14年前に戻ったような(20代に!)気分でした。

カフェでのコーヒーとクロワッサンの朝ご飯が終わると8時半過ぎ。やっと「明け方」っぽい明るさになってきてもまだ外灯もついていて薄暗いかんじ。一日はとっくに始まっているのに。
毎日通勤に歩いていた並木通り
当時住んでいたアパートの前を通ってみました。

1940年代に建った、ブリュッセルにしては比較的新しい建物でした。
ちょっとレトロっぽいところが面白くて選んだアパートです。
そこではすごく嬉しいことを発見! 14年前、そこから引っ越した時に残したカーテンとシェードがまだそのまんまになっているではないですか! 一階の通りに面している寝室の窓のためにオーダーメードで作ってもらったカーテンとシェード。

久しぶりに昔の写真を見てぎょっとしましたけどカーテンのご参考のために載せます!
ベルギーの一人暮らしの女の子(?)の部屋です!

通常の窓よりかなり幅があって、既製品ではなかなか無いのでそこを出て行く時に次の入居者にできれば残してもらいたいと頼まれ、そうすることに。どうせ持って行っても他では使えないし。 あれから住人が何回入れ替わったか分かりませんがまだ「私のカーテン」が残っていたのは自分の足跡が残っているような、自分の一部がまだブリュッセルに残っているような、なんだかとても嬉しいことでした。

ついでに当時カーテンとペアでクッションも作ってベッドに飾っていましたが、これは今でも日本にあります。カーテンもクッションも離ればなれだけど両方ともまだ健在なのね!とくだらないことを言って喜んでいる私を見て夫はかなりあきれていましたが...

カーテンとおろそいのクッション...でした。
ものを大切にすることの良さを改めて感じさせてくれました。自分だけではなく時には知らないところで他人にまで喜びを与えることもあるんですね!

2011年11月18日金曜日

大人のホット・チョコレート


フィレンツェの市役所があるシンニョリア広場のCafé Rivoireでのティータイム。 かつてはチョコレート屋さんからスタートしたらしく、フィレンツェに行く嘆美に必ずここの名物のホット・チョコレートを飲みに行きます。



けして「ココア」とは呼べません。本当に名の通りホットなチョコレートなのです。
ドロドロした、まるで最高級のチョコレートをそのまんま溶かし、気持ちだけミルクを足したような、何とも言えない大人のドリンク。



美しい市庁舎を眺めながらの贅沢な休憩。イタリアの広場にあるカフェって長時間ぼーっと座っていられる落ち着く場所なんですよね。

ホット・チョコレートを飲み終わって幸せいっぱいに夫に向かってニコッと微笑んだら、ぎょっとされました。
「は、歯がチョコレート色になっちゃっているよ」と。





カップの側面を見ると分かります、このドロドロさです。シロップみたいな。
固形物ではないけど完全な液体とも呼べない、飲むよりもスプーンで食べたくなるようなホット・チョコレートです。 

急に思い出して恋しくなりました。


2011年11月13日日曜日

秋のトスカーナ


トスカーナ地方ではちょうどオリーブの収穫の時期。
オリーブの木がたくさんあるのどかな風景とは対照的に皆さん一生懸命にオリーブの収穫をしていました。


残念なことに今年のオリーブの量は例年の1/3しかない。天候があまりよくなかったそうです。

通常ならもっとたくさん実があるのに今年はちょっと寂しい感じ。でも少なくてもこの実からもしっかりオイルがつくられるんですね。

妹のナオミの友達が経営している、アグリツーリスモ・ヴァレボーナでもちょうど収穫をしていたのでちょっとだけ見学ができました。

 

ヴァレボーナは乗馬ができることで人気のあるアグリツーリスモ。ナオミがこの地域に住むことになったのも、昔フィレンツェの街に住んでいた頃、週末によく馬を乗りに遊びに来ていたのがきっかけ。一時期アルバイトをしていたこともあったり、とても長い、そして良いお付き合いをしてきました。のんびりしたアットホームな雰囲気が好きでリピーターのお客さんが多く、ナオミが行く嘆美に昔からのお友達のように「Ciao Naomi!」と声をかけてくれます。お客さんもスタッフもみんな家族のようになってしまうような素敵な場所です。

オリーブは木の下に敷いてあるネットに落としていきます。 かなりの時間をかけてゆっくり、丁寧にスタッフやアルバイトの人達、そして宿泊されているお客さんが協力し合って敷いていました。貴重なオリーブの実は一個でも失うことはできません。


2日前に収穫して搾った貴重なオリーブオイルをティスティング。 
こんにな新鮮なのは初めてです!




絞り立てのオリーブは濃い緑色でかなり濁っています。
時間が経つと緑がだんだん黄色っぽくなるのがオリーブオイルの特徴なので緑の度合いで鮮度が分かるそう。2日前に搾ったオイルはかなりの緑色でした!
パンにつけて食べるとちょっと舌がちくちくするところが搾りたてならでは。 オリーブの風味が口の中に広がって本当に美味しかったです。
「ティスティング」どころか、あまりの美味しさに次々とパンにオリーブオイルをつけて止まりません。

本来はお土産にたくさん買って帰る予定でしたが、あまりの量の少なさに今年は一本で我慢。貴重な一本になりそうだけれどあまり大事にしすぎてももったいないのでまだフレッシュさが残っているうちに早めに使ってしまわないと!




ヴァレボーナのトレードマークである馬の絵のついたラベルもかわいらしいです。

2011年11月7日月曜日

トスカーナの小さな村の物語


ご無沙汰してしまいました。

先週ヨーロッパから戻りました。
ベルギーとイタリアで過ごした本当に素敵な12日間でした。

イタリアで滞在したのはトスカーナにある小さな村、Doccia にある妹のナオミ宅。家が20件ほど、集会場、レストラン1件、ピザ屋さんが1件しかないところ。お店もなく、銀行も郵便局も交番もありません。パンや牛乳ですら車で10分ほど坂道を下ったところにあるポンテシェーベの小さな町まで買いに行かなければならない、自然に囲まれた静で平和で美しいところです。


ドッチアに到着。周りはオリーブの木しかありません。


村に入ってきました。この先すぐ右に曲がって家がまた数件あり、
そこを過ぎたらまたオリーブ畑です。


ナオミのベッドルームからの長め。
イタリアの典型的な黄色い壁とテラコッタ色の屋根の向こうに広がるのはトスカーナの山々。毎朝起きた時にまず見えるのがこの景色とは、本当に羨ましい。



ここはトスカーナの有名なChianti Rufinaの地域。美味しいワインがたくさん造られている場所です。ブドウの収穫は終わってしまいましたがちょうどオリーブの収穫の真っ最中でした。その話はまたこんど!

妹のナオミが働くアグリツーリスモにちょうど日本からのお客様が3組いらしていたので飛び込みでナオミがガイドをするワインツアーに参加できました。景色も美しく、ワイン造りの説明も面白かったのですが何より感動したのはナオミが全てほぼ完璧な日本語で説明をしていたこと! 15年間イタリアに住み、日本語を忘れかけていたところ、2年ほど前に日本からのお客さんを相手に仕事を初めて日本語をまた復活させたのです。復活どころか、前よりかなり上手になったぐらいだったので妹がそれほどがんばっているのを見て姉としてはこれ以上心配はしなくてもいい、と少し安心です!


ブドウ畑で遊びナオミの二人の娘達。田舎でのびのびと育っています。


 ワインの説明をするナオミ。説明が終わるといよいよテイスティング。 その後、農場が経営するレストランでワインを楽しみながらのディナータイム。長い時間をかけて、食べて飲んで会話を楽しむのがイタリアンスタイルのディナー。大好きな人達と一緒に美味しいワインや食事を楽しんでいるとあっという間に夜中になっていました。
旅の疲れなんて出る暇もないぐらい楽しい、そして忙しい旅行でした。